2022年 9月10日(土)

山形散歩

山形にきている。

視察でも取材でも合宿でもない、純粋なひとり旅は久しぶりで、もうそれだけでそわそわワクワクしてしまう。

仕事じゃないので計画的でなくていい、網羅しなくていいというのが気楽。無駄を笑えるぐらいが旅らしくて好き。

そんな心づもりなので、行きの電車でようやく「山形ビエンナーレ」の全容を調べはじめ、行程を考える。旅って性格が出るよなと思う。






山形ビエンナーレのいいところは小規模なところ。特に今年は山形駅周辺で完結していて巡りやすい。まずは駅の観光案内所で無料のレンタサイクルを借りた。

キコキコとママチャリで知らないまちを走る。途中で撮影散歩タイムをつくったり、池のほとりで休んだり、買い物したりして堪能する。

山形のまちなみは、穏やかで文化的だなぁと思う。

面白いのは、各時代の歴史的建築が生活空間にどんと残っているところ、古い個人商店の穏やかな活気、何よりそんなまちにしっかりデザインされたというか、気が利いた飲食店や雑貨店が根付いてるところ。

よく聞こえてくるのは「東北芸工大」というキーワードで、ビエンナーレの主催も芸工大だ。ここまでまちに影響する芸大美大ってあるだろうか? と静かに驚く。

「今日はなんのお祭り?」「ほら芸工大の」「あぁ、なるほどね」で地元の人同士の話が済んでいるのも見かけた。それで通じちゃうのはなかなかすごい。興味深いなと思う。






今日見た中で面白かったのは、アーティストの冬仕事として伝統工芸の継承を組み込んでいくという、「アメフラシ」のプロジェクト。

草鞋を編み、箒をつくり、素材の栽培もして、さらには廃棄素材からクラフトビールをつくるところまで手掛けているという。

組み合わせと転用、工夫と遊び。ジャンルよりも実践。まずはやってみて根付かせる……みたいな所作がこのお祭り全体とも通じていていいなと思った。

などと、まじめに感想書いてしまったけど、基本は散歩して買い物して酔っ払っているだけ。

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