夜。むくりと起きて散歩に出かける。
わたしもまめも、今日は一日よく寝た。少しは身体を動かさねばと街道沿いの探検へ。
昨日は「とある美術館の夏休み」最終日で、賑やかな日だった。
京都からやってきた友人を案内しながら、あらためて不思議な展覧会だなぁとじっくり観ていく。観るたびに発見がある。
「面白い五十日間でしたね」
居合わせた広報担当学芸員さんや作家さん達と振り返る。
なかなか説明しにくい展示だったけど、実際観てしまえば「いい企画だ」と口にする人は多かったように思う。
キュレーターで友人のRさんもわいわい楽しんでくれてほっとする。最終日なのでかなり賑わっていた。
そのうち最後の展示室のあたりに参加作家が溜まってきて、「せっかくだし乾杯しよう」と誰彼ともなくいい出しプチ宴会へ。
美術館地下の居酒屋に人が集まり、中崎透さん、華雪さん、井上尚子さん、清水裕貴さん、岩沢兄弟のいわさわひとしさん、その他それぞれの友人知人が集まったり去ったり。
美術館のグループ展に作家枠で出ることなんて後にも先にもない(だろう)のでわからないのだけど、普通はこんなに仲良くなるものだろうか?
出会った人たち同士で盛り上がり、話が合い、賑わっていく。
やっぱりどこかで、繋がるテーマや温度感を持つ人たちが選出されているからかもしれないと思う。ジャンルが色々なのもいいかもね、と誰かが言う。たしかに。
わたしとRさんは早めに中座したけれど、その後も参加作家の輪が広がって千葉の夜を楽しんだらしい。
約束したわけでもなく集まっていくところがいいなと思う。ちょっと二〇二〇年以前の雰囲気を味わった。
また再会を誓って解散。
その後は我が家でRさんとまめと遊びながら夜ふかし。毎度恒例のお煎餅会をひらき、お茶と駄菓子でだらだらと話す。
「次の五年、どうなってると思う?」
という話題になって、五年前を振り返ってみることにした。
二〇一七年のわたしはびっくりするほどコンサバティブな姿をしていて、若さと情熱はあるけど度胸と自信が足りない感じ。展覧会に出していた日記の最初のほうがちょうど五年前だ。東京から千葉にやってきた頃。
展覧会できぐう編集室のトンネル型展示は時系列になっていた。進めば進むほど現在に近づく立て付け。
出口付近のわたしがピンク頭で地元美術館にこの記録群を並べることになるなんて、入口のわたしは気づいてなかったと思う。
予測しても仕方ないねと笑って消灯した。
一夜明けて。
設営も撤収も人任せだったので、参加作家のなかでもわたしが一番気楽な立場だ。なのに、なぜだか今日はぐったりしている。
会議も作業も早々に終わらせて一日ひたすら眠った。まめも同じ感じ。
ようやく回復して、夜道を散歩しながら、ここのところずいぶん千葉にかかりきりだったし、どこかに出かけたいなぁと思う。
そして千葉生活もオチがついたので、次は何しようかなぁとぼんやり思いを巡らす。
まだここにはいるけれど、また余計なことをはじめたい。なにがいいかな。