不調をはっきり自覚してから三日。しっかりへばっていた。
養命酒と漢方薬を一日三回摂取して、それ以外はもう、猫と同じ生活。食事と睡眠の繰り返しで、まめに弟子入りしたつもりで過ごす。
ときどきカッと覚醒してお酒を流し込んだり、メールに一気返信したりはするけれど、すぐまた寝てしまう。
今日もまた気怠い体を抱えて、まめの寝床に無理やり乗って寝て過ごす。たまにネギがわたしを踏んでいく。亀のほうが勤勉だなと思いながら、三匹でとにかくダラダラしていた。
わたしこのまま猫になるのかな。猫になったらどうやって餌を得ようかな、人間としての信頼は何日目で失って、生活はどこで途絶えるのかなとぼんやり考える。
しかし意外とそんな時間は続かないもので、三日目の今日、夕方からスイッチが入る。しぶとい。
溜まっていた確認原稿の山を一つ一つ超えて、何も思いつかずにいた構成案の輪郭が見えてきた。どの取材もおもしろい。
言葉と言葉がつながってなんとなくトンネルの先が見えてくる。興奮しはじめると止まらなくて、猫師匠のまめが遊ぼうよと誘ってきてもそれどころではない。
真っ当な猫にもなれず、真っ当な仕事人間にもなれないまま、ぬるりと再起動。人生ってばその繰り返しな感じがする。