山、山、山はどこだ。青々しくて禍々しい、わたしの好きな四国の山は今日も見えない。
その代わりに仕事の山が歩く先々でそびえたつ。特に今週は山多め。登っても登っても山ばかり。
昨日今日と二連続で市ヶ谷へ。顔を突き合わせチームみんなで山に登る。
とても大切な企画だけど、とても難しい企画でもある。なおかつ難しい問題をやさしく開かねばならない企画で、ここのところ思考回路はショート寸前。
根気よく付き合ってくださる先生方にも、専門性を前に倒れにそうになるたび支えてくれる担当者の方々にも感謝しかない。
構成案の検討だけで知恵熱が出そうだけれど、面白くもあって頑張ろうと気合を入れ直す。
それと並行して、調査取材の山、原稿確認の山、取材準備の山、展覧会の山と、ヘビーな登山ツアーが続く。
終わりがなくて、疲れるたび猫と酒を撫でている。そう、酒とは喉で撫でるものなのだ。悟った。
「セーラームーン世代」という言葉を昔見かけた。
美少女戦士達は薔薇しか投げてくれないヒーローのことはとりあえず横におき、友人達と手を取り合い、お互いの短所を補いつつ協力してなんとか戦っていく。
愛も友情も戦いも「前世のさだめ」という、理不尽極まりない動機で引き受けながら。
そんな「悲しきがむしゃらさ」がムーン世代の魂に刻まれているのではないかという仮説だ。
「とりあえず頑張ったら幸せになれると思ってない? お前の野心はなんなんだよ?」
毎年一回は思い出す、とある人にかけられた呪いの言葉を今年もまた思い出す。
言いたいことはわかるけど腹が立つのでいつか月に代わって仕置きしたい。しかしどんなに山に登っても月のお城には届かないのであった。