夜。潜っていた地下から出る。
雨で濡れた地面はビルの光を反射してギラギラしていて、都会にいることを思い出す。
ホルモン様に心身のコントロールを握られたまま、地下の一室で相談窓口を担当するという、なかなか稀有な一日だった。
さまざまな人の話をききながら、相談事を乗せた言葉が、本当にその言葉どおりのものを指しているのだろうかと悩む。
みんながみんな、少しずつずらしたところで話している気がする。そりゃそうなんだけれど。
必要なのは内側を推測するのではなく、ただ聞くこと。まるごと聞くこと。それがなかなか難しい。隣にいる仲間たちが聞き上手なので、自分のおしゃべりを反省したりもする。
終わった頃にはまちも眠りかけで、お茶屋さんも閉まっていた。次は遊びにこようと誓ってフラフラと帰途に着く。