旅だ。旅だ。まちだ。まちだ。と、ひとり興奮していた週末。
体調は崩れかけだし、仕事は詰まっているしで半ば諦めていたけど、土曜日にえいやと出掛けてみた。新幹線に乗って大阪へ。
たどり着いた瞬間に元気に。仕事でも帰郷でもない旅なんて随分久しぶりで、テンションが上がる。
目当ては展覧会と関西の友人に会うこと。国立国際美術館近くに宿をとり、感覚の領域展とコレクション展を観た。
飯川雄大さんの《デコレータークラブ》は、横浜でも千葉でも観てきたけれど今作は段違いによかった。しっかり美術館で遊んでいる感じ。観る側がぐらぐら揺すられる。中原浩大さんの《テキストブック》は麻薬的な作品で、とんでもなく上質でミニマムな版画本をひたすら捲る体験に痺れた。夢に見そう。二作とコレクションが良かったので、お腹いっぱい。
そのまま天王寺のスタンダードブックストアにもお邪魔して、齋藤陽道さんの新刊や岡本真帆さんの歌集、「と整体」さんの本を買ったりする。気になる本はなぜだか旅先で買いがち。
そして合間に美味しいご飯とお酒。天気がよくて、まちは元気で、おいしくて楽しくて、短い時間だったけれどとてもよい一人旅だった。夜には友人ともたっぷり話した……気がするのだけど、お互い飲みすぎてよく覚えていない。次こそはもうちょっと記憶を残したい。
川沿いを歩きながら、川や山がある場所が好きだし、同時に感じのいい個人店がちゃんと繁盛するまちも好きだなぁと思う。大阪のあのあたりは絶妙だ。
そう思うと今の家がある場所はそこまで好みではなくて、大阪を歩きながら引っ越し欲がうずいた。ただ近くにいる人達との関係が良い塩梅でなかなか手放せない。本当にどうしようかなぁと思う。だいたいこう思いはじめたら引越しのはじまり……なんだけど。
今ならまだどこでも行ける気がする。この先はわからないけど。