えいやと気合を入れて電車に乗る。土日の外出が億劫になったのはいつからだろう。
神田ポートで開催中の『きょうの塩梅』出版記念・川瀬一絵写真展「6月の星」へ。梅仕事の本をつくるために撮影された川瀬さんの作品を観る。素敵だった。
星に喩えられた梅の姿もよかったし、畑のちょっとした道具や、思わぬ景色を撮るあたりが川瀬さんらしい。いつも真ん中のことじゃなくて、ちょっとずれた周辺のことが気になる川瀬さん。
その存在に救われるような気持ちになるのはなぜだろう。わたしも生きてていい感じがするというか。
今から十年前、わたしの自宅結婚式を撮ってくれたときも、川瀬さんは部屋の隅の電源コードとか、花嫁の襟足とか、食べ残されたお寿司などを撮影していた。とても素敵で大好きな写真。結婚を解消した今も、あの記録撮影群は宝物だ。
そして十年ぶりに川瀬さんの作品を買うことにした。届くのが楽しみ。
そのまま展覧会場で友人と待ち合わせ。
「いつか飲もう」と約束していて、たまたま連絡をとったタイミングで来れるというので落ち合うことにした。一緒に展示を観てから、ふらふら歩いて神保町の「優美堂」へ。看板犬・秋田犬のののちゃんを眺め、昼酒を飲んで近況を交わす。
夕方になって、もう一軒はしご。
聞いたことのない新潟の日本酒が出てきて、おいしくてついつい呑み過ぎてしまう。ふたりとも記憶が怪しいけれど、友人が長く暮らしたパートナーと別れるかもという話を聞き、号泣したのは覚えている。
今思えば、新しい門出とも言えるし、決断に至る出会いがあったのかもしれないけれど、ともあれ誰かと誰かが離れるということにこみ上げるものがあった。飲みすぎ注意。