東京はいいまちだなぁと思う。
二十年来の友人や、仕事で知り合った仲間達と新大久保から新宿歌舞伎町まで歩きながら。その前は有楽町の展示を観てきた。
東京は意地悪なときもあるけれど、基本的には寛容だ。どう生きていても、何者であっても、どこかにいられる隙がある。ただし、家賃や飲食代などのお金を払えるならば。
千葉は落ち着きのある郊外だけど、今日みたいにふらふら飲むと面倒なこともある。年齢や性別やセクシャリティや職業や家族構成のあれこれを無視して透明に生きることはできない。かろうじてわたしが生きやすいのは、近所の仲間や大家さん先生のおかげ。
無色透明、何者でもなく、詮索されない距離が気持ちいい。余裕で人を受け止める都市の設えがかっこいい。バーで話しかけられるときの内容も全然違う。
楽しいな、東京。好きだったな、東京。と、思いながら帰宅する。優しい寝床のある千葉へ。同じように悩んで迂回して生きてきた友人達と話して笑って集まって、そして解散する場所。それが東京。