日曜の夜にM氏がやってきて、共同生活がスタートした。
彼が持ち込んだのは、トランクひとつと紙袋ふたつ。荷物が少なすぎる。しかもトランクの半分は枕というオチつき。枕!
実家との往復が続くので、まぁ段階的にやればいいかと思いつつ、いくらなんでもコンパクトすぎる。二人で笑った。
実家を作業部屋として残して通うことにしたのは、八十代半ばのお義母さんを考えてのこと。家族の距離みたいなものも含めて「はじまった」感じがする。どうなることやら。
この日のメニューはみぞれ鍋とお酒。珍しく売っていた「一白水星」を飲む。大谷さん先生にもらったお祝いグラスも使ってみる。バカラなんて縁がなかったけど、重くて薄くて綺麗なグラスは、お酒が美味しくなるのだと知った。
しみじみする間もなく、翌朝月曜からせわしない。
税理士事務所の先生方と自社の決算振り返り。大反省と改善点を話し合う。胃が痛い。売上ベースではそんなに悪くないのに経営が下手すぎる。
「会社ってお金かかるんですねぇ」と今更なことをつぶやくと、「給与という形で毎月しっかり出ていくからですね。フリーランスだったら経費を差し引いたものが自分の分なので、結果的に自分への実入が少なくともやり切れちゃうんですよ」とごもっともな回答。
なるほどなぁと思うし、改めて組織として動く、会社員として勤めるという仕組みは、ものすごく良くできていると思った。
会社員は楽ではないけど、本質的にひとりというのも無理が多い。何もかもが自分次第。
そう思うと家計も同じなんだけど、どう割っていいか悩ましい。
とりあえず生活費を確認しようと東電のサイトで先月の電気料金を見たら四万四千円だった。嘘でしょ。
生き抜ける気がしない。せちがらい。
さて、会社員M氏の引越し後初出勤はどうなったかというと……帰って来れそうにない。急遽都心のオフィスに出動した模様。大変だ。どっちも大変。