今日はM氏が引っ越してくる予定だったのだけれど、深夜に「仕事が終わらない」という悲痛な連絡がきて延期に。
年度末近くの商業デザイナーは大変である。同じ制作業の同志だとお互いに思っているけども、彼の仕事ぶりを見ていると、紙の制作物はいつだってデザイナーが最後まで大変。
とはいえ土曜の夜が空いたことはありがたくもあり、見送ろうと思っていた公演のゲネにお邪魔できることになった。
家の掃除を放り投げて神奈川芸術劇場へ向かう。
情報の行き違いがあって一時間早く着いてしまった。会場ではわたしと同じ状況のOさんがいて、二人でおろおろして、お茶を飲んで過ごすことにする。
Oさんとわたしは使う言語が違う。口話と身振りと筆談を交えながら、うちの実家から送ったみかんの感想やら今日のアクシデントやらをネタにおしゃべりした。
たぶんお互いに言いたいことの半分以下の情報量しかやりとりできないのだけど、諦めずに話す。その時間がおもしろい。
今日観た作品もそれに近い要素を内包していて、鑑賞経験にもつながる出来事だった。Oさんも思い切ってきてみてよかったと言っていた。
外に出るとか、ものを観るとか、人に会うということは、だいたいアクシデントだなぁと思うし、それが大事。
再婚については、大家さん先生が心配する介護負担のリスクよりも、思わぬアクシデントに出くわす機会が減るリスクのほうがわたしは怖い。ひとと生活をともにするときに、こういうなんともいえない時間の大切さをどう説明できるだろう? 相手を大事にしながら。
M氏とわたしは気は合うけども、生活や仕事上の文化がだいぶ違う。人付き合いの具合とか、外に出る頻度とか、他者への心の開きかたが別物だ。押し付けず、譲りすぎずのバランスが次のテーマ。パートナーシップはそこが難しい。
書類の整理をしていたら生活と出費のアラが続々見つかった。火災保険が切れていたりとか、忘れてたけど前の家の光熱費を払い続けていたりとか。本当にいろいろどうしよう。年度末はばたばた。