夜十時。
何をどう指示しても白い紙しか吐き出してくれない反抗期のプリンターと袂を分かち、コンビニコピー機を目指して外に出る。
今夜も雨。どうりで身体がだるいはずだなぁと思いながら、ポケットの中では百枚の百円玉が軋んだ音を立てている。
同人イベント用に常備している釣り銭がこんなところで役に立つとは。
大量のゲラを印刷しながらぼーっとしていて、コンビニコピー機のコイン投入口を詰めてしまった。疲れて勢いよく詰めすぎたらしい。百円玉ならいくらでもあるんだよと機械に自慢してどうなるっていうんだ。阿呆だわたしは。
そんなわたしを見守ってくれるのは、近所の怪しいクリスマスデコレーション。等身大のサンタが窓から覗いているスタイルでとても怖い。
今夜はできてないことが多すぎる。焦りを通り越しておおらかな気持ちになってきた。それにしてもなぜ何でもかんでも、安請け合いしちゃうのかなぁ。みんなどうしているのかなぁ。
休暇まであと少し。果たしてマイサンタは微笑んでくれるのか。サンタさん、やい。