たくさんの締め切りに追いかけられながら、なんとか納めて夜から渋谷に向かう。
奈良にある「たんぽぽの家」が主催する「ニュートラ展 in 東京 福祉と伝統のものづくりの可能性」へ。
展示もそうなんだけれど、デザイナー・𠮷田勝信さんと、たんぽぽの家・岡部太郎さんによるトーク「フィールドワークとデザイン」を拝聴するのが楽しみだった。
東京でトークを聴くのは何年ぶりだろう。ざっくりだけど、お二人の話から面白かったキーワードをメモ。痺れた!
採集とデザインと超特殊印刷/新しいものをつくる必要性から考えたい/生活から生まれる造形のオリジナリティは私と他者のあいだにある/僕(デザイナー)にもケアスタッフが欲しいと思った/「暇を使う」とは自分以外の力を使うこと。たとえば日向で干して箒の葉を落とすこと/「手間暇」の謎が解けた/張子づくりのためにはひょっとこ踊りができないといけない/フォームからはみ出す動きが大切なのでは/ものづくりにも「フォーム」をつくれないか?/つくることを受け渡すためのレシピ/大掴みでものをつくると、出目が変わってくる(それが面白い)/そのやり方だとポジティブにものがつくれる。失敗ややりなおしが生まれない/七十%ぐらいの複製性/印刷は九九%の複製性/色をつくる技術をつきつめると、何色をつくるかではなく、何から色をつくるかが重要になる/カラーチップベースのデザインの終わり/これって伝統工芸の話? もしかして「野生」では?
𠮷田さんの活動や創作を知れば知るほど、デザインの概念が「メタ」に引き上げられていくのがわかるのだけど、実際にやっていることは土や手に近づいているのが素晴らしい。スマートで知的なのに、めちゃくちゃ身体的。そのバランスに信頼が宿る。やはり憧れの人だ。
いつか本当に遊べる案件をつくれたなら、𠮷田さんにお願いしたい。ご本人にも誓った。ちょっと熱すぎたかもしれない……。
あと、会場で再会したOさんと、東中野のアフガニスタン料理店で食事する約束をした。
それとキャットフードの件も。わたしが間違って買ってしまった猫用療養食を受け取ってもらってありがたい限りで、二人でお礼を言い合ってへこへことしてしまう。Oさんはたぶんかなり大先輩なのだけど、とても親しみやすくて素敵な人だ。勝手に親近感を抱いている。
帰り道、福祉と文化に関心を抱く理由を二人で話していて、「生きる」に関わるからだよね、と、意気投合した。