2022年 11月3日(木)

器を選ぶ

昼から美容院へ。

最近のテーマは「育ててきたブリーチヘアをどうやって上手に使い切って終わらせるか」である。

三年前から全頭ブリーチを続け、常に金髪だった髪。さすがに痛んだし飽きたしで少しずつ別れを告げようと、ここのところピンクにしたり紫にしたりしつつ、少しずつ色味を暗くしている。

今日は表面をオレンジブラウンに、中をブリーチカラーを残したツートーンのボブにしてもらって、秋野菜色のメッシュみたいな仕上がりになった。

前回から担当してくれている美容師さんはアイデアも豊富で相談しているときが特に楽しい。企画制作にちょっと似ている。次回はどうしよう。






夕方からは黄色い電車に揺られて西荻窪へ。

マグカップが欲しいとオーダーを受けて、雑貨店「FALL」に行くことにした。せっかく人にプレゼントを買うなら、思わぬ出会いがあるところに行こうと足を伸ばす。ニ年ぶりぐらいかもしれない。

店主の三品さんは相変わらず軽妙な語り口で、まさかの角度から豊富な話題を浴びせてくれる。会うたび話すたびに何かの舞台を目撃したような気持ちになる。お店にお邪魔する楽しみの一つ。

そういえばと思い出し新しい名刺を差し出して、編集を担当しているウェブメディアについて話してみる。三品さんに「この領域に名前ってあるんですか?」と聞かれて、ないことに気づく。

そしてわたし達が名づけることもこの先ないだろうし、名前がないままでいてほしいなと密かに思った。ただそれは認知しにくいままでいることでもあるので、自分勝手な願いかもしれない。






帰り道。ふたたび黄色い電車に揺られながら、マグカップと一緒に買った小さな雑誌『なnD』最新号を読む。知っている人がぱらぱらと登場する。

小林英治さんの日記コーナーに、がんで入院していた間、食事がプラスチックの器で出ることが辛かったとあり、退院後に買った器の写真が載っていた。

今日買ったマグカップのことを思う。いまどきは作家物の器もネットで買えるし、いいなと思うものも見つけていたのだけど、手で触ってみないとわからない。

手によくなじみ、触るだけで元気が出るようなものがいいなと思っていたので、今日の一品には満足。西荻窪まで行ってみてよかった。

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