早朝からまめが叫んでいる。走っている。噛んでくる。絡んでくる。興奮して障子を破っていく。
いつもの朝だなぁ……とぼんやり天井を見上げると、まめが駆け上がった反動でキャットタワーが倒れてくるところだった。びっくりした。
危ない! と、身を挺してタワーを押さえにいく人間と、華麗に飛び降りことなきを得る猫。最終的にわたしがタワーの下敷きになって一日がはじまった。痛い。
猫との生活がこんなにハードモードだとは知らなかった。大家さん先生には「キング」とあだ名され、二十六歳の猫を看取ったばかりのM氏にも「こんな猫はじめて」と言われるまめ。
まめ菌由来の右手の化膿もまだまだ存在感を放っている。まめはきっとこのまま、ノリと勢いを維持して生きていく気がする。
今日は大家さん先生がミカンと柿を片手にやってきて、トイレ工事の見積もりで相談事。タイミングが良かったので、恋人ができたという最近の報告と、同棲に関する相談もしてみる。「よほど気に入っているのね」と言われた。
話しながらほとんど親戚みたいな内容だなぁと思う。やっぱりちょっとへんてこ。