「だんだん欲がなくなってきてね。もはや快適な暮らしのための道具ぐらいしか興味なくて。母が『通販生活』買っていた意味がわかるっていうか」
数日前、展覧会を観にきた友人達と近所のホテルに泊まってみた。
宿にこもってお酒を飲みながらピザに食らいつくだなんて、だいぶ欲張りだと思うけど、友人の一人がしみじみと言う。
彼女は都心の一等地で暮らしているし、いつも飛び抜けておしゃれなので意外な感じ。
でも、まぁ、そうかも。
自分だって、こうして人と過ごすとか、生活を整えるとかには課金するけど、基本はそこまで物欲がない。
最新のものにも、物量にもどんどん興味がなくなっていく。
今日は一日、収納周りの改装をしていた。
届いた棚を組み立て、クローゼットの中に着物倉庫をつくる。たいして数はないけど、着物や帯の管理がしやすいよう、一つずつラベルもつけた。
午後は寝室。大きすぎて持て余していたハンガーラックを、押し入れに押し込む作戦に出る。衣装ケースや布団を引っ張り出して立体パズルに明け暮れた。
大物に手をつけると小物も気になるもので、収納箱を買ってきて引き出しの中までしっかり整理。
すべてが片付く頃には夜になっていた。
達成感。爽快。高揚。
相変わらず整理整頓月間が続いている。もはや新たな趣味だ。インドア派を極めつつある。
仕事の方もほとんどオンスケジュールに戻ってきて気分はとてもいい。
環境を変えられたまめとネギは不満そうだったけれど。