2022年 2月20日(日)

貝が欲しい

朝一番でヘアサロンへ。養生避難中にすっかり伸びてしまった部分をブリーチしてもらう。

「もー、こんなに伸ばしたら色合わせるの、大変ですよ。今日は思い切り紫入れてもいいですか?」と美容師さん。……言われると思った。

ここ2年ほど基本的に金髪にしているのだけど、わたしの金はかなり明るい色なので黒髪部分が伸びすぎるとリペアが大変なのだ。

観念して根元の黄味を抑える紫色をたんまり入れることになり、アニメのような老婦人のような紫頭になった。しばし寝かせる。

今日は緑のゼブラ柄コートという、これまたアクの強い格好なので派手になった。魔女みたい。

ビルのガラスに映った自分を見てちょっと笑う。

こうなったらばとショッキングピンクのビーズでできた大きなピアスを駅で買い、グリーン車でこっそりつけてみた。魔女度がぐんと高まった。






四国にはほとんど服を持っていかず、寒ければ家族の作業着を借りて着た。

最終的にはモコモコのダウンベストに怪しげなロゴが施されたブルゾン、綿入りのパンツの組み合わせで落ち着き、あだ名は「五郎」に。

「北の国から」の五郎さんである。五郎さんかぁ、いいね、と、思っていた。

そういえば、四国から戻ってきて最初にびっくりしたのは手の荒れよう。

爪も手もガサガサに乾燥していたのだけれど、向こうではちっとも気にしていなかった。

自分の場合、金髪にしてるのも、少し変わった服を選ぶのも、コミュニケーション上の理由だ。服や化粧は、孔雀の羽ではなく、環境に合わせて生きぬくためのヤドカリの貝みたいなもんだなと思っている。






魔女姿で午後から向かった先は、東京都内。豪華メンバーによる、一日限りのダンス&音楽の公演にお邪魔した。生の踊りと音に包まれゆすられる。いつ以来だろう。生まれて初めて音楽に出会ったような気持ちになった。

公演後に挨拶したい人が何人もいたのだけれど、人を出待ちするとか、声をかけるとか、そもそも身近な人以外と話すことにブランクがありすぎて逃げ帰りたくなる。

社交性の高い仕事仲間に助けられてなんとかできた。もうすこし厚めの貝殻被らないとだめみたいだなと思った。そんな貝はどこで買えるだろうか。

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