早起きして電車に乗って、もともと住んでいた街へ向かった。
忙しくて行きたくてもいけなかった美容室にようやくたどり着き、年末年始に向けて髪をきれいにしてもらうぞとワクワクして過ごす。
その美容師さんはワーキングホリデーで一年ほど海外に行っていたので、しっかり担当してもらうの久しぶり。
彼女の不在中にかけたパーマの続きを施術することになるので、少し薬剤を強くして二回ほどパーマ液をかけると説明を受けた。
四時間半もかかるコースだったけど、彼女が育ててる子犬とうちの子猫が同じ月の生まれだとわかり、動物トークで盛り上がった。
途中ちょっとゆっくりやりすぎでは? 切りすぎでは? と思いつつも、まぁ彼女の腕なら大丈夫と思い直す。
が、仕上がってみると、襟足はパーマがかからずまっすぐで、逆に他の部分はチリチリと呼べるほどかかってしまって、髪型というより爆発みたいな状況になった。
最初はきっとここからカットしたりスタイリングするとどうにかなるんだろうなぁと見守っていたけど、割とどうにもならない感じで、彼女も不安になってきたのか「ここ切ります?」「ここどうします?」と確認が多くなってきた。
しかも夕方から都内で仕事なので時間が迫っていたのだけど、全然終わりそうにない。
わたしに聞かれてもリカバリーの方法はわからないし、仕事には遅れそうだしで、どんどん何も言えなくなり……そのうち彼女も「かかりすぎてしまいましたね……襟足は全然でしたね…どこか直しに来られる日ありますか?」と不安そうにしている。
若いその人を追い詰めるクレーマーにはなりたくない。でもどう見ても変な気がして青ざめて黙ってしまった。どうしよう。
サッカーボールを路上で蹴り出す少年みたいだ。年末の楽しいイベントも人前に出る仕事も控えていて想像すると気が重い。
うーん、うーんと唸りながら、次の予定を急いでいたので、支払いをして店を後にして電車に飛び乗った。
すでに遅刻気味だったけど、仕事先の近くのジーユーに飛び込みニット帽を買い、仕事相手にはチリチリ事件を伝えて笑いをとって過ごした。内心はショックすぎてごはんも食べのがした。
こんなことも、あるんだなぁ。どうしよう。