朝、薄暗い寝室。スマホのアラームが鳴った。
発光したスマホが、枕元に座っている小さな生きものを照らす。こちらをじっと見るばかりで鳴かない。
触れようとするとストンとベッドからおりて、タタタタと小さな足音が遠のいていく。
「うめちゃん、ごはん食べる?」
子猫のうめはイエスともノーとも言わないが、寝床から起きたわたしを見つけると、階下までついてくる。
フードの蓋を開け、お皿に移し、お湯を足し、電子レンジで温めている間、うめはダイニングテーブルの上でうろうろしていた。再び二階に戻ろうとすると、うめも一緒に階段をかけあがる。
しずかな猫だなと思う。
まめはなにかと鳴いていたし、いつでも話しかけてきた。朝は四時から顔を叩いて起こしに来るし、主張の強い猫だった。
うめが家にきてもうすぐ二ヶ月になる。生後一ヶ月で引き取って、ミルクや離乳食をあげるところから生活がはじまった。
今年の五月に突然死んでしまったまめは、生後四ヶ月から一緒に暮らした。あと数日で四歳になるところで、入院先の病院で、誰もいない時間に、原因もわからず突然逝ってしまった。
うめはかわいい。本心からそう思う。でもまめはわたしにとって特別な猫だった。
うめが猫らしく育てば育つほど、まめとは違う猫だということをしみじみ感じる。当たり前だけど。
まめが二度と帰ってこないことを指差し確認する日々が続く。ときどき無性にさみしい。虚しい。
どうして今こんな風に生きていて、なぜ猫と暮らし、何がしたいんだっけ、と、最近よく思う。
わたしは今、以前よりさらに田舎に引っ越し、小さな二階建ての木造家屋を借りて、夫と二人暮らしをしている。
ペーパードライバーを卒業して自分の車を持ち、自分のためにつくった小さな会社を友だちとの共同経営に切り替え、そして毎日とにかく悩んでいる。
なかなかままならないことが多くて、ままならないままに過ごしている。
久しぶりにこの日記を更新していくことにした。