2022年 11月20日(日)

共に立つ

「ついについたよ、歯形が」と、差し出された右腕には、確かに見慣れた四つの穴。M氏もまめの洗礼を受けたことを知った。

わたしも袖を捲り上げて同じ傷を見せる。「聖痕だね」「まめ様の下僕として認められた」「まめ族だ」と笑いながら、マックでフライドポテトをつまみ、日も暮れたので家まで送ってもらって解散した。






土曜日。採れたての春菊と水菜、サツマイモを持ってM氏がやってきたので、今週末のメニューは豆乳鍋だった。

自分の畑から採ってきたばかりのはずなのに、土も虫も綺麗に落としてあるのが彼らしい。いつも気遣いが細やかだなぁと思う。

先月、M氏が土鍋を持ってきてくれたときから、包丁とまな板のセットを増やし、うちで一緒に調理できるようにした。

そうして飲みながら、喋りながら、一緒に手分けして食事の準備をするのが恒例になりつつある。食事ができたらまめと遊びつつ、ダラダラと食べて過ごす。

料理への苦手意識とか、ひとと台所に立つ怖さみたいなものはだいぶ溶け、むしろ次の週末は何を一緒につくって食べようかと話し合うのが楽しい。

一緒に過ごすようになってから、二人とも平日の仕事を平日のうちにちゃんと終わらせ、掃除洗濯をそれぞれ仕上げてから集合するようになった。業務内容もこれまでの働き方も、千葉に住んでる経緯も似ているわたし達は、いいことだねぇとお互いを褒めている。






こんなに穏やかな生活は本当に数年ぶり。いや、よく考えると、フェアな関係でまともに人と歩むこと自体、ものすごく珍しいことかもしれない。

今まではなんだかいろいろなバランスが変で、流されるように生きていた。結婚生活もフェアとは言えなかったし、フェアにする努力が足りなかった。

この人と楽しくこれからも過ごすにはどうしたらいいかね? と、考えては、お互いに相談して確認してコマを進める。こんな当たり前の関係を築けるようになるまで、三十八年もかかるなんて。

人間生活は大変。でも、楽しくもある。頑張ってやっていきたいなぁと次の週を迎える。よいこと、よいこと。

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