はじめての街で緊張しながらバスに乗る。
バスは電車よりもわかりにくくて、不確実性が高い気がして、ちょっとだけ苦手だ。
不安な気持ちで窓を覗くと駅前のウルトラマン像と目があった。ブロンズの裸婦像より、フルカラーのウルトラ像のほうが何倍も愛せる。というか街に似合う。
なんでかなと思いながら、そうだそもそもウルトラマン達は、日本の日常風景に現れ、人々を守るシンボルとしてつくられたのだと気づく。駅前に仁王立ちすべき存在なのだ。
そう思うと、人目に晒される不自然極まりない裸婦や母子よりウルトラのほうが良い。日本中の駅前にウルトラファミリーや怪獣を配置してくれたらいいなと思う。
初めての場所で初めての人と話して回る仕事がはじまった。
不安もあったのだけれどひたすら楽しい。ひとつのテーマを共有している安心感と、仲間に会っていくような喜び。この先も楽しみ。
外に出た日は一日が長く、家に篭っていると瞬きする間に日が暮れる。楽しい。