浜松での取材がひと段落ついて、空き時間ができた。
もちろんさっさと帰って仕事すればいいんだけど、何度もきてるのに目的地以外はほどんど行ったことのない浜松のまちが気になる。うろうろしてみることに。
はじめはH君を訪ねてコワーキングスペースへ。
十年前に仕事で知り合ったときは、まだ学生だった彼。その当時から一貫したテーマの研究を続けていて、もうすぐ渡米するとの噂を聞いて立ち寄ってみる。
今日は浜松生活の最終日だったみたいで忙しそう。お邪魔しちゃって悪かったけど話せてよかった。
その彼の紹介で郷土玩具を使った楽しいものづくりをしている人とも話す。以前に見ていいなぁと思っていた一品の作者だった。作品がかわいすぎるので、早速ネットで注文した。いろいろな活動があっておもしろい。
その後は歩いて浜松市楽器博物館へ。
「世界の楽器を偏りなく平等に展示する」をモットーに展開するその場所は、噂には聞いていたけれと素晴らしい博物館だった。
人間と人間が地域や文化を超えて付き合ってきたこと、動物や植物や自然の脅威や不可視の存在とも折り合いをつけてきたこと、そういうこと全部が楽器という道具に詰まっている気がした。
見ていて胸が熱くなるし、もっとあちこち行きたくなる。これまたひとに紹介してもらった職員さんがギャラリーガイドもされていて、彼女の弾くセタールやその説明も素敵だった。
「不安なんです。ずーっと隙なく移動していて、それが研究活動のためには大事だと思っていたけれど、私生活の安定や自分自身の幸福をおざなりにしすぎた気がするんです」
帰り道、今朝聞いた一言を思い出す。
ガンガン進む人だと思っていたので、意外だった。わたしはどうだろう。いまだによくわからない。